Q.住宅ローンの連帯保証人になってます。離婚調停で自宅は売るとを約束したのですが、前夫が売却してくれません。
お金にルーズな人だったので、結婚当時からたびたび住宅ローンの支払いも遅れていました。
調停では、自宅を売却することを約束してもらえたのですが、その後まったく何の行動もしてくれません。
自宅の売却を促す方法はありますか?
A.調停調書に記載があれば、履行勧告、間接強制の手続きがとれます。
直接連絡をとったり会いに行ったりするよりは、高い効果が期待できると思います。
離婚のときの財産分与、離婚後でも請求できるのか?
裁判所で、離婚調停成立により離婚された場合、合意した内容がまとめて記載された調停調書という文書が手元に残っていると思います。
この調停調書に記載された内容は、双方が守る義務を負うものです。
ですから、あなたが主張したい内容、相手に行動を起こして欲しい内容が、調停調書に記載されているかを確認してください。
不動産についての取り扱いは、経済的にも大きな内容となるため、不動産の取り扱いに関しての取り決めは、比較的調停調書にしっかりと記載されることが多いです。
調停調書に記載されていることを確認できたら、裁判所を通じて行動を促すことができます。
具体的には、履行勧告と間接強制という手続きが取れます。
家事事件の履行勧告などの手続き
具体的には、裁判所に連絡するか、調停調書を持参して家庭裁判所に出向くと、手続きの方法はかなり丁寧に教えてくれると思います。
また、家庭裁判所の履行勧告手続等のページも参考にすると良いと思います。
履行勧告
家庭裁判所で決めた調停や審判などの取決めを守らない人に対して,それを守らせるための履行勧告という制度があります。
相手方が取決めを守らないときには,家庭裁判所に対して履行勧告の申出をすると,家庭裁判所では,相手方に取決めを守るように説得したり,勧告したりします。
履行勧告の手続に費用はかかりません。
場合によっては、電話で問い合わせするだけで、履行勧告の手続きを受け付けてもらえることもあります。
ただし、義務者が勧告に応じない場合に行動を強制することはできません。
間接強制手続き
いくら裁判所でも、行動しない相手に対して強制的に、不動産屋さんに出向かせて手続きさせることはできません。
しかしながら、相手に何らかの行動を促したいときには、間接強制という手続きが取れます。
間接強制とは、債務を履行しない義務者に対し,一定の期間内に履行しなければ、裁判所が、その債務とは別に間接強制金を課すことを警告した決定をすることです。
そして、義務者に心理的圧迫を加え,自発的な支払を促します。
制裁金は、事案によって裁判所が決めますが、大凡5~10万円のことが多いようです。
このように、調停調書の調停条項に約束事が記載されていれば、裁判所を経由して強制的な手続きをすることが可能です。
手続きに自信が無いのであれば、弁護士さんや司法書士さんに手続き依頼すると良いでしょう。
費用を抑えたいのなら、弁護士宛でなく、お手元の調停調書を持って裁判所で相談するといいです。
調停条項によっては、その日のうちに履行勧告の申し立てができるかもしれませんし、間接強制の手続きについても丁寧に教えてくれます。