離婚後の自宅には妻が住み、住宅ローンは私が払い続けます。どんなことに注意すべきでしょうか?

名義変更 財産分与 離婚協議書

離婚後の自宅には妻が住み、住宅ローンは私が払い続けます。どんなことに注意すべきでしょうか?

投稿日:2018年11月1日 更新日:

離婚後のマイホームには妻と子が住み続け、私は出て行きますが、住宅ローンは私が払い続けます。どんなことに注意すべきでしょうか?

Q.住宅ローンのあるマイホームに住んでます。名義は自宅もローンも100%夫の名義です。この度離婚し私が出ていき、妻と子は自宅に住み続けます。

離婚原因が私にあることもあり、住宅ローンは私が払い続け、退職金を受け取ってローンが完済したら、家を妻に譲るつもりです。

本来は、自宅やローンの名義は自宅に住み続ける妻のものにすべきなのでしょうが、妻は今まで専業主婦だったため、ローンの利用は難しいと思います。

私はローンを払い続けるつもりですが、どのようなことに注意して離婚協議書を作成すべきでしょうか?

A.おそらく、奥さんとお子さんのために最大限のできることをしようという考えのもとだと思います。名義と居住中のリスク、完済後に確実に奥様に不動産を譲れるような注意点を示します。

以下は、住宅ローン診断士、行政書士の立場からお答えします。

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離婚後の自宅名義と住宅ローン名義のリスク

夫側のあなたの意思としては、住宅ローンを完済して、ローンが無くなった後は不動産を妻側に渡そうとしているのですから、あとはローンを支払い続けられるかどうかがリスクです。
しかしながら、妻側から見た場合のリスクとして、ローン支払いの遅滞を含めて、以下のリスクが考えられます。

  1. 住宅ローン支払い遅滞リスク
  2. 自宅が売却されるリスク
  3. 1,2の場合の退去リスク
  4. 住宅ローン契約違反のリスク
  5. ローン完済後の自宅譲渡未完了のリスク

 

住宅ローン支払い遅滞リスク

決してあなたを信用しないというわけではありませんが、ローン支払いが遅滞するリスクは、住宅ローンを利用している皆にあるので、これをまず指摘します。

将来の収入に関する問題なので、現在どのような安定した職業に就いていたとしても、将来間違いなく安心とまで言い切れる職業はありません。

さらに、将来の退職金を充てて住宅ローンを完済する計画ですから、企業や団体が将来退職金を間違いなく支払うかどうかは、企業や団体が負っているリスクです。
あなたがコントロールすることには限界があると思います。

お伝えしたいことは、まず妻側には誠実に、このようなリスクもあるということを伝えるべきだということです。

このリスクを排除するためには、離婚と同時に自己資金で住宅ローンを完済する以外にはありません。

自宅が売却されるリスク

不動産の名義は100%夫の名義とのことですから、現状が、夫の意思のみで自宅を売却することができます。

現在夫側にその意思が無いとしても、可能性がある以上、妻側としては考えておかなければならないリスクです。

退去リスク

住宅ローンの支払いが滞った場合、または自宅が売却された場合、オーナーが代わるので、それまで住んでいる妻と子は、退去を余儀なくされる可能性が高いです。

離婚協議書で、妻と子が、夫名義の不動産に住み続ける根拠を定めるのですが、このときの居住の根拠は、使用貸借(無料で住み続ける)契約が一般的です。

使用貸借契約の場合、オーナーが代わった場合で退去を求められれば、使用貸借契約があることを主張できません。

これを回避するために、家賃を決めて賃貸借契約にするということも考えられますが、相談の内容からみて適切とは思えません。

さらに、先に記載した住宅ローン遅滞によって自宅が競売で落札された場合には、落札後の6ヵ月後には退去を余儀なくされるので、賃貸借契約がリスク回避の手段とまでは言い切れません。

住宅ローン契約違反のリスク

金融機関にもよりますが、住宅ローンは、住宅ローン名義人が居住するために、好条件で融資しているものです。

ローン名義人の住民票移動が認められるのは、会社の指揮命令に基づいて、単身赴任するケースなどです。

ローン約款などで、ローン名義人が住まなくなった場合には、住宅ローンを一括で返済しなければならない、と謳っているケースが少なくありません。

実務上は、返済さえ滞らなければ、金融機関から指摘するケースは少ないとは思いますが、おすすめできるというわけではありません。

ローン完済後の自宅譲渡未完了のリスク

あなたに、住宅ローン完済後不動産を譲渡する意思があるのですから、それを書面に落とし込むことで、妻側の不安は解消できる可能性があります。
離婚協議書に記載しても構いません。

しかし、離婚後は互いに連絡を密にとることは無いと思われますので、妻側は、いつ住宅ローンが完済したのか、返済状況に問題は無いのかなど、返済状況を知ることに支障があると思います。

かといって、夫側が、毎月あるいは回数を決めて報告する義務を負担することも、互いの心情を考えると現実的とは言えないものと思います。

ですから、財産分与や慰謝料の名目で、自宅を譲渡する旨と、ローン完済後に自宅の名義変更の登記をすることを約す内容を記載した離婚協議書を作成しておくと良いでしょう。

さらに、離婚協議書の内容をもとに、妻名義の所有権移転の仮登記をしておけば、ローン完済後に自宅の譲渡が担保されるとともに、先に記載した自宅売却リスクもかなり軽減できると思います。

ただし、ローン返済が遅滞して、競売により落札された場合のリスクまでは回避できません。

まとめ

夫側のあなたの協力により、妻側のリスクを回避させることができることは、次のことです。

  1. 然るべき内容の離婚協議書を作成すること
  2. 所有権移転の仮登記をしておくこと
  3. 妻側が離婚後就職するのなら、ローン名義をかえること

1,2は先に記載した通りです。
残るリスクは、住宅ローン遅滞リスクと住宅ローン契約違反のリスクです。

住宅ローン遅滞リスクは、いまコントロールすることができないリスクです。
ですから、コントロールできるリスクとして、住宅ローンの名義変更を検討してみてください。

金融機関によっては、就業後半年の勤続期間で審査の対象となる金融機関もあります。
またこれも金融機関の審査によりますが、その際に事情を伝えて、あなたが連帯保証人となるよう交渉することも、可能性としてはあります。

これらによって、住んでる人が借りているという、もっとも理想の形に収まるものと思います。

-名義変更, 財産分与, 離婚協議書

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