離婚後、元夫のローン返済が滞っています。私に名義変更できますか?

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離婚後のマイホームの住宅ローンは夫が支払う約束なのに、夫のローンの返済が滞っています。契約社員の私に名義変更できますか?

投稿日:2018年11月16日 更新日:

離婚後のマイホームの住宅ローンは夫が支払う約束なのに、夫のローンの返済が滞っています。契約社員の私に名義変更できますか?
Q.2年前に離婚しました。原因は夫にあったので、マイホームの住宅ローン返済は、慰謝料や養育費代わりとして、今後すべて夫が払うという約束でした。
 
ところが、離婚後に元夫の勤務先の業績不振の影響で退職せざるを得なくなったそうで、住宅ローンの支払いができないと連絡がありました。

土地は、私が父から相続したので私の名義です。
マイホーム建築のとき、私は専業主婦だったので、名義も住宅ローンの名義もすべて夫名義で利用しました。

私は、離婚後に契約社員として働きだしましたが、年収は360万円です。
このような状態ですが、私名義の住宅ローンに名義変更する方法はありますか?

 

A.難易度は高いですが、可能性が無いわけではありません。契約社員の方でも、離婚にともなう住宅ローン名義一本化ができたケースもあります。
詳細なことは、勤務状況と不動産評価とローン残高、あなたの信用情報を確認すれば、ローン可否はお答えできます。

以下は、元銀行員で住宅ローン診断士の立場でお答えします。

 

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離婚後に住宅ローンを妻名義に一本化する際のポイント

 
厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯の調査結果によると、母子世帯と父子世帯の推計は、母子世帯128万世帯に対し、父子世帯19万世帯と、母子世帯が父子世帯の7倍近いそうです。
 
そのうち、離婚してひとり親世帯となった割合は、母子世帯、父子世帯とも約8割弱であるということですから、離婚した後に子供がどちらの親と暮らすのかという数字は、8世帯中7世帯が母親と暮らすという調査結果です。
 
離婚後の住まいの選択は、子供の学校や保育園の環境を変えないよう、子供の住む場所を変えないような選択をすることが少なくありません。
ですから、結婚後にマイホームを購入している場合は、子供がマイホームに住み続けられるように検討する人が多いです。
 
したがって、離婚後の住宅ローンを、マイホームに住み続ける方に一本化するためには、妻が住宅ローンの審査に通るかどうか、がポイントになることが、圧倒的に多いということになります。
 
このとき、今までは専業主婦であったからとか、パートや契約社員であったから住宅ローンが利用できないのではないかという心配が先に立つ人が多いです。
 
確かに、勤務形態や年収条件は、住宅ローン審査において重要な審査条件ではあります。
しかしながら、勤務形態ひとつだけで住宅ローン審査に一切通る可能性がない、と言い切れるわけでもありません。
 
やはり、勤務形態や年収条件に加え、不動産評価、個人信用情報などを総合的に判断して、できる限り住宅ローンを利用できる可能性を探ることがポイントになります。
 

勤務形態が契約社員であっても住宅ローン審査に通る可能性

 
確かに、勤務形態が契約社員である場合、さらには勤続年数が1年に満たない場合など、その勤務形態によって住宅ローン審査のテーブルに乗らないという場合もあります。
 
しかし、今回のように、土地が妻の100%名義であって、土地を相続によって取得した場合には、土地購入資金を住宅ローンで調達した場合と異なり、不動産の時価評価が、住宅ローン残高を大きく上回る場合が多いです。
 
住宅ローンを扱う金融機関にもそれぞれ特徴がありますので、多少勤続年数条件や年収条件がクリアしなかったとしても、不動産評価が充分あることによって、特例によって審査を通してくれる金融機関もあります。
 
どの金融機関が、どのような条件であるか、ということの詳細までは触れられませんが、実際に契約社員の人でも不動産の担保評価が充分であるということから、粘り強く交渉したところ、住宅ローンの審査に通ったという事例があります。
 
今回のように、離婚協議の際に、元夫名義の自宅に元妻と子供が住み続けるという選択をする人は少なくありません。
しかし、妻側が本当に住宅ローンを利用できないのか。できないとすれば、どの条件が満たされないから審査が通らないのか、を特定しておくべきです。
 
例えば、勤続年数が足りないために住宅ローン審査が通らないのであれば、勤続年数の条件を満たした数年後には、住宅ローンを一本化できる可能性が高まるということになります。
 
条件が整う数年後を見越して、審査が通った際には住宅ローンを一本化するという内容の離婚協議書を作成しておけば、後々のトラブルを回避できることにも繋がります。
 

離婚後の住宅ローン名義、理想の最終形

 
当センターのスタンスは、自宅と住宅ローンの名義は、自宅に住み続ける人に一本化すべきというスタンスです。
 
今回のケースのように、離婚後も夫名義の家に妻が住み続けているという関係が残ると、離婚後に一方の債務が履行されない場合など、経済的および心理的トラブルが起きる要因になりかねないからです。

離婚の際、住宅ローンの名義を妻側に一本化するにあたって、困難になることのひとつは、妻側の勤務状況と年収により、借り換えにより一本化を希望するものの、希望借入額に届かないということです。
特に、現在夫が住宅ローンを利用している金融機関に相談に行くと、夫よりも借入れ希望者の条件が悪くなるという理由で、相談時点で断られるケースがあります。
 
現在利用している金融機関としては、契約者の離婚という事情はほとんど関係なく、このままの契約を残しておいたほうが有利だからです。
一方の住宅ローン一本化希望者も、金融機関に断られたために、他の金融機関も同様の返答にしかならないのではないか、と思ってしまい、一本化事態を諦めてしまう方が多いと思われます。
 
しかしながら、住宅ローンを取り扱う金融機関も多数あり、年収重視型、信用情報重視型、あるいは担保余力重視型といったように、それぞれ特徴が異なります。
 
当センターで事前にご相談くだされば、最新の情報と確度の高い借入れ可能性の見通しは立てられると思います。

さらに詳しく個別の情報を聞きたいという場合は、無料メール相談をご利用ください。

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