離婚後、妻が住宅ローン付きの自宅に住み続けるとき、銀行へはどのように知らせるべきですか?

住宅ローン審査

離婚後、妻が住宅ローン付きの自宅に住み続けるとき、銀行へはどのように知らせるべきですか?

投稿日:2019年5月9日 更新日:

離婚後は妻が自宅に住み続けるとき、銀行へ知らせるべきですか?

Q.離婚後、 マイホームには子供と妻が住み続け、私(夫)が自宅のローンを払い続けることになりました。

知人から、住宅ローン名義人が自宅に住まなければ、契約違反で銀行からローンの一括請求されると聞いたことがあります。

このとき、住宅ローンを取り扱っている銀行には、知らせるべきでしょうか?

知らせるとしたら、どのように説明するべきでしょうか?

A.ローン名義人宛に金融機関からの通知が届かなくなりそうであれば、事情を話して変更届などを出しておく必要があります。

奥様がマイホームに住み続けるにあたり、婚姻中と別姓を名乗るなどの理由で、離婚後にあなた宛の郵便物が届かなくなると、金融機関から調査される可能性が高いです。

住宅ローン約款をよく読んで、どのような届け出をすべきかを確認してみてください。

以下は、元銀行員で住宅ローン診断士の立場からお伝えします。

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住宅ローン利用後に離婚すると、どんな契約違反となるのか?

結論から言うと、離婚したことのみで契約違反になることはありません。

日本全国には200行近い銀行と、その他に信用金庫、信用組合等がありそのほとんどの金融機関が住宅ローンを取り扱っていると思われます。

残念ながらすべての金融機関の住宅ローン約款を確認したわけではないのですが、離婚すると契約違反であると定めている金融機関は無いはずです。

では、なぜ離婚すると契約違反であるかのように、不動産業者や離婚相談の専門家が指摘するのかを考えてみます。

どのような場合に住宅ローンを一括で請求されるのか?

住宅ローン利用後は、住宅ローン約款という規則にしたがって、ローンの返済を続けていくことになります。

このとき、重大な約束違反があると、金融機関はあなたに対して約定返済によらず、一括で残りの債務を請求されることがあります。

専門用語では、期限の利益喪失事由に該当するときに、一括での返済を請求されることになります。

つまり、期限の利益喪失事由はどのような事由であるのか、を知っていれば、住宅ローン残高を一括で請求されるかどうか分かるということです。

住宅ローンの期限の利益喪失事由

ある銀行の住宅ローン約款を参考にしながらお伝えします。

銀行によって多少の違いはあるものの、住宅ローン約款はどこの銀行も似たような内容になっています。

いま利用している金融機関の約款がきになるのであれば、約款を取り寄せて、次の2つの条項を確認してみてください。

1つは『当然喪失条項』もうひとつは『請求喪失条項』です。

当然喪失条項

当然喪失条項とは、ある事由が発生した場合に、なんの連絡もなくいきなり一括請求される事由を定めた条項です。

ある金融機関の当然喪失条項は以下の通りです。

①お客さまに破産、もしくは民事再生の申立があったとき。

②お客さまの預金その他の当社に対する債権について、仮差押、保全差押または差押の命令、通知が発送されたとき。

③住所変更を怠る等お客さまの責めに帰すべき事由により所在が不明となったとき。

①と②は、つまるところ借金が返せなくなるなどして、債権者から裁判上の手続きが取られたときです。

簡単に言うと、他の債権者に対して、お金を返さなかったときです。

離婚がらみであり得そうな事由は③です。

相談者のように、離婚後に住宅ローン契約名義人の夫が出て行き、妻と子が住んで離婚後に名字を変えてしまうと、金融機関から契約名義である夫名の郵送物が届かなくなる可能性があります。

③には、『お客様の責めに帰すべき事由により所在が不明となったとき』とありますから、住所の変更届けを怠った方に原因があるとみなされ、何の連絡もなくいきなり一括請求される可能性があるのです。

ですから、離婚後に住宅ローンを利用している金融機関から、郵送物が届かなくなりそうであれば、必ず金融機関宛に、事情を話して変更届などを出しておく必要があります。

請求喪失条項

請求喪失条項とは、金融機関が次の事由にあたると判断されたときに、金融機関が請求した後、一括で支払うよう請求がある事由を定めた条項です。

ある金融機関の、請求喪失条項は以下の通りです。

①お客さまが当社との他の債務について期限の利益を失ったとき。

②お客さまが当社との取引約定の一つにでも違反したとき。

③お客さまが返済を遅延し、当社が書面により督促しても、次の約定返済日までに元利金および遅延損害金を返済しなかったとき。

④お客さまが支払を停止したとき。

⑤お客さまが手形交換所の取引停止処分を受けたとき。

⑥お客さまが当社に対し虚偽の情報提供または報告をしたとき。

⑦お客さまの債務の担保の目的物について、仮差押、保全差押または差押の命令、通知が発送されたとき。

⑧前各号のほか、お客さまの信用状態に著しい変化が生じる等当社が債権の保全を必要とする相当の事由が生じたとき。

⑨連帯保証人または本契約に基づく債務の保証提携先に本項各号のいずれかの事由があるとき。

請求喪失条項に定められた事由を大まかに言うと、お客様にこのまま返済し続けられないような事由が発生したときです。

最も多いケースは、『③ お客さまが返済を遅延し、当社が書面により督促しても、次の約定返済日までに元利金および遅延損害金を返済しなかったとき。』でしょう。

つまるところ、住宅ローンの返済が出来ずに延滞してしまった場合です。

銀行へはどのように知らせるべきか?

他の専門家や、不動産業者さんにもいろいろな見解がありますが、当センターのスタンスとしては、離婚により住宅ローン契約者が自宅に不在となるのであれば、その旨を金融機関に伝えるべきであるというスタンスです。

自宅に、妻が夫名義の家に住み続ける根拠について、離婚協議書にしっかりと記載されており、その離婚協議書を金融機関に提出すれば、それを根拠に銀行が一括返済を求めることはありません。

よく、ローン契約者が自宅に住んでいないと契約違反ではないか、という相談を受けます。

この意味は、住宅ローンを利用していたのに、いつのまにか本人が住まずに他人に貸していて、賃料収入を得ていた場合などです。

住宅ローンは、マイホームを持ちたい人のために、とても優遇された条件でローンが利用できる融資制度です。

この融資制度を不当に利用して、物件を賃貸に出していた場合などは、住宅ローン契約に違反していると見なされて期限の利益を喪失する場合があります。

もっとも理想的な解決策

当センターのスタンスは、 離婚後の自宅と住宅ローンの名義は、可能な限り自宅に住み続ける人の名義に一本化するべきである、と提案しています。

今回のケースでは、自宅に住み続ける妻の名義に、自宅も住宅ローンも一本化することが、最も理想的な解決策です。

離婚前まで、妻が専業主婦やパートで収入が低いなどの理由であきらめてしまう方が少なくないですが、不動産の担保状況や家庭環境によってはローン審査が通る可能性もあります。

一度、専門家にご相談していただきたく思います。

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