共有名義

共有名義のマイホームがあります。 離婚協議中の相手方に自分の持ち分を売ると言われました。

投稿日:2020年11月28日 更新日:

共有名義のマイホームがあります。 離婚協議中の相手方に自分の持ち分を売ると言われました。

Q.50%ずつの共有名義のマイホームがありますが、別居中の相手方が自分の持ち分を売ると言ってきてしまってます。

住宅ローンは全額相手が負担していますが、支出が苦しくなってきたのか、住宅ローンは負担できず、自宅を売りたいと言ってきました。

約束と違うし、今の住まいを脅かされたくありませんので反対したところ、自分の持ち分だけでも売ると言ってきました

売却を阻止する方法はありませんか?

 

 

 

 

A.離婚することに同意しているのなら、財産分与の請求を根拠に、裁判所に対して処分禁止の仮処分を申し立てるという方法があります。

ただし、あなたが離婚に同意していない場合は、離婚前提の仮処分の申立ても困難でしょう。

では、実際に売却されてしまった場合と、その可能性についてお伝えします。

以下は、宅地建物取引士、行政書士の立場からお伝えします。

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相手の持ち分が売却された場合に自分は住み続けられるのか?

あくまで可能性として、共有物件である自分以外の名義の不動産を、その名義人が第三者に売却することは可能です。

このとき、他の共有者の同意などは必要ありません。

実際に、共有物件を専門に買取る不動産業者もあると聞きます。

 

ただし、共有物件である以上、共有持分の者が変わったところで、いきなり退去を迫られることはありませんし、その法的根拠もありません。

不動産の共有者は、共有物の全部について、その持ち分に応じた使用する権原があります(民法249条)。

大事なことは、持ち分に比例して使えるということでなく、共有物の全部を使えるということです。

ですから、もし自宅の共有者が変わった場合でも、可能性があるとすると、買い取った持ち分に応じた賃料を請求されるということか、共有物分割請求訴訟を提起されるということでしょうか。

 

しかしながら、理屈上自分の見ず知らずの第三者に売却することが可能とは言うものの、その買取る第三者が簡単に見つかるとも思えません。

特に、まだ住宅ローン残高が十分残っている物件ならなおのこと、住宅ローンの抵当権がついた状態の共有物件の一部を、好き好んで買取る業者は居ないでしょう。

もし、明らかに相手方の友人知人の名義に変更されたのであれば、虚偽表示の可能性すら疑えると思います。

あくまで個人の感想の域を出ませんが、離婚協議中に自分の持ち分を売ってしまうと主張することは、なかなか自分の思う通りの交渉が進まず、単に自分の分を売ってしまうと脅しているだけだと思います。

むしろ、相手方持ち分を買取る意思があるのであれば、離婚問題で拗れている相手方と話し合うよりも、業者さんが買い取っているのなら、その業者さんと話しを進めたほうが早いと思います。

離婚に同意できるのなら、処分禁止の仮処分の申立てを検討

以下は、裁判所での手続きになりますので、相談は弁護士さんにしていただくことになるのですが、離婚に同意できるのであれば、相手方持ち分を財産分与として請求するという前提のもと、勝手に売却したりしないよう裁判所に申立てをすることが出来ます。

申立てた側に、相当な理由があると認められれば、相手方に対して売却禁止の命令が出され、不動産の登記簿にも処分禁止の仮処分の記載が為されます。

この記載がある不動産を好き好んで買取る者はそうそう居ないはずですので、売却を阻止する方法とすれば、この手段が一番有効でしょう。

ただし、離婚に同意しているということが前提であるということで、なかなかその手段に踏み切れない方も少なくありません。

理想的には相手方の持ち分を譲り受けること

離婚の協議状況にもよるのですが、まずはしっかりと、離婚をするか否かにかかわらず、相手方持ち分を譲り受けたいという意思表示をすべきです。

弁護士さんを通している場合は、相手方持ち分は自分名義にしたい旨を弁護士さんにしっかりと伝えてください。

自分に住宅ローンの支払い能力があるのなら、相手方名義のローンの通帳などを自分の管理下におき、ローン支払いを滞らせないよう留意してください。

なぜなら、直近の住宅ローン返済に遅滞があると、借り換えるときの住宅ローン審査に通り難くなります。

反対に言うと、相手方さんは嫌がらせで住宅ローン返済を止めることが可能でもありますので、そのような状況は回避するような準備が必要です。

 

難易度は高いものの、あくまで可能性として、離婚前でも相手方と売買や負担付き贈与などの方法で、相手方所有権を譲り受けることは可能ですし、実際にこの方法で、離婚前に住宅ローンを利用して相手方持ち分を譲り受けたこともあります。

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