財産分与

離婚後でも財産分与の請求はできますか?

投稿日:2018年12月1日 更新日:

離婚の際の財産分与や慰謝料とはそもそもどういうものですか?離婚後でも請求できますか?

Q.1年前に離婚しました。マイホームがありましたが、住宅ローンも含めて夫名義だったので、財産分与などはまったくしませんでした。

離婚原因も夫にありましたが、早く分かれたかったので、金銭的なやりとりは何もしていません。

離婚後でも財産分与の請求はできますか?

A.離婚後でも請求できます。ただし、裁判所に対して調停または審判の申し立てができるのは離婚後2年以内です。

離婚にともなう財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、協議離婚のときに分与することです。

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離婚のときの財産分与、離婚後でも請求できるのか?

財産分与の請求は、離婚後でもできます。

ただし、精算的財産分与の処分について、裁判所に対して調停または審判の申し立てができるのは離婚後2年以内です。

離婚にともなう財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、協議離婚のときに分与することです。

財産分与にはおおきく4つの種類があります。

  1. 精算的財産分与
  2. 扶養的財産分与
  3. 慰謝料的財産分与
  4. 婚姻費用の精算としての財産分与

一般的に言われる財産分与とは、1の精算的財産分与のことで、質問の趣旨も精算的財産分与のことだと思いますので、精算的財産分与について説明します。

精算的財産分与のルールとは?

精算的財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、離婚をするにあたり分与することです。

財産分与の請求権は、離婚をしたことにより発生します。

ですから、離婚後に財産分与をしたい場合には、まず相手方に対して、『財産分与をしてほしい』という意思表示をしなければなりません。

財産分与の請求をすることにより、協議が始まります。

夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産は、等分して双方に分与する、という考え方を基本にして協議します。

一般には、共有財産を特定して価格を算出し、一般には2分の1ルールに従って分与します。

ただし、必ず2分の1ずつにしなければならないという訳でもありません。

あくまで、双方の協議により合意すればよいのです。

ただし、分与して受けた財産が過大である場合、贈与税が発生する場合があります。

そして、互いの協議が調わない場合には、家庭裁判所に対し、協議に代わる処分を請求することができます。

家庭裁判所に対して、調停や審判の請求ができるのは、離婚後2年以内です。

一般的には、まず財産分与請求調停を申し立てて、調停が調わない場合には自動的に審判手続きが開始されて、審判が為されることになります。

家庭裁判所での調停の協議の際には、財産分与の対象となる共有財産をどのように分与するかを、調停員を交えて互いの意見を聞きながら話し合いが為されます。

夫名義の住宅ローン付き自宅も財産分与の対象となるのですか?

夫名義のマイホーム等不動産も、財産分与の対象となります。

一般的には、結婚後に購入した不動産で、同時に住宅ローンを組んで購入した自宅は、不動産の名義に関係なく財産分与の対象になるものと考えて間違いありません。

ただし、自宅購入時に、一方の親から頭金などを出してもらった場合や、相続で得た土地上に家を建てた場合など、互いの協力によって得た財産ではない資産は、特有財産といい財産分与の対象にはなりません。

住宅ローン付き不動産の財産分与の方法

詳しくは、離婚のときの住宅ローン付き不動産の財産評価方法にも記載しています。

簡単に言うと、不動産価値からローン残高を差し引いて純資産額を算出してた金額が共有財産となり、それを分与します。

ローン残高が不動産価値を上回っているオーバーローンの状態であれば、他に財産がない場合は財産分与額は0円と評価されます。

このとき、ローン負債はあくまで住宅ローン名義の債務者の負担であり、仮に裁判所で審判を受けたとしても、それローン残高を分配せよというような審判がなされることはありません。

とにかく、財産分与をせずに離婚をしているのでしょうから、夫名義の住宅ローンについての情報は取りにくい状況であると想像します。

離婚後2年以内であれば、すみやかに相手に対して、『財産分与をしてほしい』と請求することから始めてください。

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