Q.住宅ローンのあるマイホームに住んでます。この度離婚し、私(夫)と子は自宅に住み続け、妻が実家に帰ります。
住宅ローンは私が80%、妻20%の連帯債務で組んでいて、離婚後の住宅ローンは私が払い続けるつもりです。
妻の持ち分の住宅ローンの負担割合は、どのように精算すべきですか?
離婚協議書などで、住宅ローンは私が払い続けるなどと記載すべきですか?
A.金融機関としては、離婚協議で夫婦双方が返済負担の変更について納得したとしても、金融機関側がそれに拘束されることはありません。
つまり、金融機関が承諾しない限り、連帯債務の負担割合が変わることはありません。
離婚協議書で、あなたが妻の持ち分の負担をすると約束するか、金融機関に対してあなたの100%名義での住宅ローンに変更するか、どちらかの選択になります。
おすすめするのは、後者の、住宅ローンを一本化する方法です。
以下は、住宅ローン診断士、行政書士の立場からお答えします。
離婚後の住宅ローン、妻の連帯債務負担分を引き受けるときの離婚協議書
金融機関と交渉せずに、あくまで離婚協議書で、妻の負担分を夫が引き受けるという内容の文言を記載する場合は、以下のような文案になります。
◯項 甲(夫)および乙(妻)は、平成◯年◯月◯日、甲乙共有の不動産の購入に際し〇〇銀行との間に住宅購入を目的として甲乙を連帯債務者とした債権額金2,500万円、年利息2.125%の金銭消費貸借契約(以下、「住宅ローン」)を締結したことを確認し、甲は、本日現在の住宅ローン残債務金2,500万円および本日以降の利息の全額の債務を引き受けることを承諾し、今後は甲のみが、その住宅ローン債務の履行につき、その完済まで全責任を負って支払う義務があることを認める。
◯項 甲は、前項に基づいて住宅ローン債務を履行したとき、乙対して有する求償権について、その全額を放棄する。
(以下略)
離婚後の夫婦双方の債権債務関係を、できるだけ無くす方が望ましいと考えると、夫が連帯債務者の債務を負担した後に持つ求償権も放棄する文言を入れることが望ましいでしょう。
この文言を入れることにより、夫が住宅ローンを滞りなく返済した場合には、夫婦間の債権債務は何もないということになります。
しかしながら、住宅ローンを取り扱う金融機関に対しては、何の効果もありません。
金融機関は、もし離婚後に夫が住宅ローンの支払いを滞らせてしまった場合は、連帯債務者で妻に請求することになるでしょう。
離婚時の、夫婦間の約束事を離婚協議書に記載したとしても、その約束事を金融機関に対して拘束させる手段はありません。
そもそも連帯債務の場合は、金融機関は、その一方の債務者に対して債権の全額を請求することが可能です。
やはり理想的には、金融機関に対して、離婚後は妻が債務を負わないように、住宅ローン契約の債務者から妻を外すことだと思います。
離婚後の住宅ローン名義の当センターのスタンス
当センターでは、離婚後の自宅と住宅ローンの名義は、可能な限り自宅に住み続ける人の名義に一本化するべきであると提案しています。
今回のケースでは、自宅も住宅ローンも夫の名義に一本化することが理想です。
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